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コート紙、マットコート紙、上質紙の違いは?
[印刷用紙の選び方]

#graphic design

印刷を業者に依頼する際、どの用紙を選んだらいいか迷ったことはありませんか? 特に初めての印刷では、紙の種類によって仕上がりがどう変わるのかがわからないので、不安に感じることもあると思います。印刷に対応する紙には、手触りが良く温かみのあるものや、光沢感が強くツヤツヤしたものなど、非常に多くの種類があります。この記事では、最もリーズナブルで人気のある「コート紙、マットコート紙、上質紙」の3種類に絞り、それぞれの特徴と違いをご紹介します。ぜひ、印刷を依頼する際の参考にしてみてください。

コート紙とは?

コート紙は、表面に光沢があり、印刷物の色を鮮やかに再現できる紙です。写真やイラストが多く含まれるデザインでは、コート紙を使うことで、視覚的なインパクトを高めることができます。紙の表面がコーティングされているため、印刷のインクが吸収されにくく、細かいディテールまでくっきりと表現されるのも特徴です。

[主な用途]
・ カタログやパンフレットなど、ビジュアルを重視した印刷物
・ ポスターやフライヤーなど、鮮やかで目立たせたいプロモーション素材
・ 写真を色味を重視したい印刷物

コート紙は、光沢感が強いため、見た目に華やかさを求める場面に適していますが、光の反射が強くなるため、読み物が多い場合には少し不向きかもしれません。

マットコート紙とは?

マットコート紙は、コート紙と同様に表面がコーティングされていますが、光沢が抑えられているため、落ち着いた質感があります。写真やイラストをしっかりと再現しつつも、光の反射を抑えることで、テキストの読みやすさを重視するデザインに適しています。コート紙と上質紙の中間に位置する紙です。

[主な用途]
・ 企業パンフレットや報告書、落ち着いた印象を求める印刷物
・ 高級感と読みやすさを兼ね備えた名刺やカード類
・ カタログや雑誌など、テキストと画像をバランスよく配置した印刷物

マットコート紙は、上品で落ち着いた印象を与えたい場合に最適です。テキストが多く含まれる資料や、長時間読まれる印刷物におすすめです。

上質紙とは?

上質紙は、その名前から、とても高級な紙と思われるかもしれません。でも実は、印刷に使う紙の中では比較的リーズナブルな部類です(コート紙、マットコート紙、上質紙はいずれも同価格帯です)。コート加工が施されていないため、自然な紙の質感が残っています。そのため、書き込みやすいのが特徴です。光沢がないので、素朴で落ち着いた印象を伝えたい印刷物に適しています。

[主な用途]
・ 手書きメモを追加する必要があるチラシやパンフレット
・ ナチュラル系の商品や、落ち着いたオシャレ感を表現したい印刷物
・ 書き心地を重視したハガキや招待状

上質紙は、ナチュラルな質感を活かしたシンプルなデザインに向いています。手触りも良く、使い勝手の良い紙として広く利用されています。但し、印刷のインクを吸収しやすい性質があるため、写真の濃淡や色味をきれいに再現したい場合は注意が必要です。

印刷用紙を選ぶ際の注意点

印刷物の用紙選びでよくある失敗と、それを避けるためのポイントを紹介します。

1. ビジュアルと用紙の相性を考える

紙面に写真やイラストが多い場合、インクを吸収しやすい紙を選ぶと、予想よりもトーンが沈んでしまうことがあります。写真やイラストをくっきりと見せたいときは、コート紙やマットコート紙を選ぶと良いでしょう。しかし、これらの紙は手触りや風合いに乏しいため、鮮明さよりも質感を重視する場合は、上質紙が適しています。また、写真を多く使ったデザインでも、あえてトーンを落とした味わいを演出するために、上質紙を選ぶケースもあります。

2. 反射、指紋、シワに気をつける

コート紙は紙の表面に光沢があるので、写真が鮮やかできれいに見えます。一方、光の反射が強いため、直射日光や強いライトの下では、角度によって見にくくなる場合があります。展示会の資料や屋外で使うポスターなどは、マット仕上げを選ぶ方が無難かもしれません。また、コート紙は、指紋やシワも目立ちやすいため、ポスティングチラシや手配りのビラなどは、マットコートや上質紙のほうが適しているといえます。

3. コストに合わせて最適な紙を選ぶ

ここではコート紙、マットコート紙、上質紙の3つの紙に絞って特徴を紹介しましたが、実際には印刷に使われる紙は、他にももっとたくさんの種類があります。たとえば、サラッとした手触りの紙や、細かい凹凸があって温かみを感じる紙など、さまざまな特徴があり、最適な紙を選ぶことで独特の雰囲気を演出することができます。ただし、コストは上がる傾向にありますので、予算に余裕がある場合は、それらも含めて検討してみると良いでしょう。

紙の厚さについて

印刷に使われる紙の厚みは、一般的には「kg」という単位で表されます。ここで言う「kg」は、紙の1,000枚あたりの重量(連量)を指しており、数字が大きいほど厚い紙ということになります。紙の厚みが増すと、高級感や存在感が強調されますが、厚すぎると逆に安っぽい印象を与えることもあります。同時にコストや納品物の重量も増えるので、適切な厚さを選びましょう。

[55〜73kg]
コピー用紙くらいの厚さです。折込チラシやポスティングチラシ、冊子の本文などに使われます。

[90〜110kg]
しっかりとした印象と扱いやすさが両立した、汎用性のある厚さです。ポスティングチラシやパンフレット、カタログ、ポスターなど、多用途に使用できます。

[130〜150kg]
厚手のチラシやポスター、パンフレット、はがきやショップカードなどに適しています。

[180〜220kg]
しっかりとした厚みのある紙で、ポストカードやDM(ダイレクトメール)、名刺、ショップカードなどに最適です。

印刷用紙を選ぶときのコツ

印刷の仕上がりを確認したい場合は、印刷会社から用紙のサンプルを取り寄せてみるのがおすすめです。最近ではオンライン印刷が主流で、ほとんどの印刷サービスで用紙のサンプルや印刷見本を手軽に取り寄せることが可能です(無料か有料かはサービスによります)。サンプルには、実際の印刷が施されていることが多く、紙の質感だけでなく、印刷後の仕上がりも手に取って確認することができます。特に仕上がりをしっかり確認してから選びたい場合は、ぜひ印刷会社にサンプルを依頼してみてください。

まとめ

印刷用紙の選び方は、印刷物全体の印象や質感に大きく関わります。特に、コート紙、マットコート紙、上質紙は、印刷に最も多く使われており、日頃から日常的によく目にし、触れている紙です。これらはリーズナブルで、初めて印刷をする場合や、どの紙にするか迷ったときに選びやすい選択肢でもあります。それぞれの紙には特長があり、目的や好みに合わせて選ぶことで、より満足のいく印刷物を仕上げることができるでしょう。お客様にとって最適な紙を選び、理想の印刷物を作り上げるお手伝いができれば幸いです。

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